ハルモニウム
19世紀インドがまだイギリスの植民地だった時代
イギリス人の宣教師が教会の讃美歌演奏用に
足踏みオルガンを持ち込んだ。
これをみたインド人が現地の木や紙、金属で
手作りしてハルモニウムは生まれた。
奇しくもヒンドゥー教の讃美歌に使われる事が多く
宗教は違えど楽器を使う目的は一緒な辺り、
音色にそういう匂いがあるのだろう。
左手は蛇腹のふいごを動かし、
風を送る事で金属のリードが音を鳴らす。
鍵盤は右手のみで演奏するので、
鍵盤楽器としてはどちらかと言うと不便な楽器だ。
しかし、不便だからこそ、何かが生まれる
可能性を探り、人生をかける魅力を
私はこの楽器に感じている。
バンスリ
インドの竹笛。インドの言葉でバンシは竹、スーリは音。竹の音という意味を持つ楽器。
インドの神様クリシュナが吹く楽器でもある。本来土と接している事から不浄の楽器とされ、楽器のカーストも高い訳ではない楽器。
一番手前のバンスリは誤って割ってしまったバンスリを日本古来の器の修復方法である、銀継ぎを施し再生したもの。無傷の時よりも深い音と揺らぎを得る楽器に成長しました。
シンギングボウル
チベットの仏具。お仏壇にあるおりんと一緒。スティックがついており、ボウルの縁から離さないように回すとボウルの中で音が共鳴して不思議な音がする。
金、銀、銅、錫などの金属を合金して鋳造する。通常は4や6種類の合金などが主流だが、真ん中の銀色のシンギングボウルはギベオン隕鉄が合金されていて9メタルというあまり出回る事のない貴重品。
笛屋遊山